Mouse Dictionaryとは|できること・使い方・対応ブラウザ
三橋竜彰・
「英語のページを読んでいて、分からない単語のたびに別のタブで辞書を引くのが面倒だ」
「Mouse Dictionaryという拡張機能が気になるけれど、何ができるのか分からない……」
「入れる前に、対応ブラウザと料金のことを知っておきたい」
そう思って調べている方に向けた記事です。
先に答えを書きます。Mouse Dictionaryは、ブラウザの中で英語を引ける辞書の拡張機能です。Chrome ウェブストアの概要では、「英語学習者のための超高速辞書ツール」と説明されています。
ただし、料金のことは先に押さえておく点があります。取れた公式のページには「無料」と書かれた文が見つかりませんでした。ソースコードはMITライセンスで公開されていて、英辞郎などの辞書データは別に購入が必要と書かれています。
この記事では、Mouse Dictionaryの公式の資料(ストアの掲載・公式のリポジトリの説明と wiki)と、開発者本人がQiitaに書いた解説に書かれていることだけをもとに、次の3つを整理します。
- Mouse Dictionaryでできることと、使い方の流れ
- 辞書データと、使える範囲・できないこと
- 対応ブラウザと、料金について書かれていること
読み終わる頃には、Mouse Dictionaryを入れるかどうかを決める材料が揃います。
Mouse Dictionaryは、ブラウザの中で動く英語の辞書ツールです
Mouse Dictionaryは、ブラウザの中で動く辞書ツールです。Chrome ウェブストアの概要では、Chromeブラウザ内で超高速に動作する辞書ツールと説明され、英和・和英・英英での利用を想定していると書かれています。
公式がうたう効果は、英語学習、主にリーディングの効率が劇的に向上する、というものです。提供元は、公式のリポジトリの設定ファイルでは開発者名の「wtetsu」と書かれています。取れた公式のページには、会社名は書かれていませんでした。
ストアの掲載とリポジトリの説明から、主な働きをまとめると次のとおりです。
| 働き | 公式の説明 |
|---|---|
| 単語・熟語の検出 | 単語や熟語の検出に強いとされている |
| 単語の分割 | camelCaseのような語を、camel caseのように分けて扱う |
| 辞書データの取り込み | 好きな辞書データをインポートして使える |
| オフライン | オフラインでも利用できる |
| 使える場所 | Webページのほか、PDF文書、YouTubeの字幕、inputやtextareaの上のテキストにも使える |
| 応答 | 応答時間は1/60秒とリポジトリの説明にある |
表の「単語の分割」は、リポジトリの説明にある"Automatic word separation"の例です。
次は、実際にどの順番で使うのかを見ていきます。
Mouse Dictionaryの使い方の流れ
Mouse Dictionaryの基本の使い方は、入れて、辞書データを用意して、英語のページで起動し、語の上にカーソルを乗せて引く流れです。公式のwikiと開発者の解説をつなぐと、次の順番になります。
- Chrome ウェブストアか、Firefoxのアドオンのページから入れる
- 拡張機能のアイコンを右クリックして「Options」を開き、設定画面を開く
- 初回は辞書データを作るよう求められるので、OKを押して初期の辞書データを作る
- 引きたい英語のページを開き、拡張機能のアイコンを押す
- 語の上にカーソルを乗せると、意味が引ける
3の初期の辞書データは、"ejdic-hand"という、パブリックドメインの英日辞書データだとwikiに書かれています。
5の引き方について、開発者の解説では、"dealt with it"の上にカーソルを乗せると、dealtを自動的に原形のdealに直し、"deal with"や"deal"も候補になる、と説明されています。発音は、スピーカーアイコンをクリックすると音声が流れる仕組みです。
PDFは、ウェブ上のものなら通常のページと同じ扱いです。開発者の解説によると、パソコンに保存したPDFは、オプション画面からPDFビューアを起動して、ドラッグ&ドロップで開きます。
使い始めのあとに、次の設定を変えられます。
- 起動のショートカットキーの割り当て(Chromeでは
chrome://extensions/shortcuts、Firefoxではabout:addonsの「Manage Extension Shortcuts」) - 表示の見た目(オプション画面の「advanced settings」にある「HTML templates」で「Description」を変える)
- 設定のバックアップ(設定を平文で書き出せる)
- 設定を初期に戻す(「Options」→「Open settings」→「RESET TO DEFAULT」)
ここまでで使い方の全体が分かりました。次は、辞書データの扱いです。
辞書データの扱いと、できないこと
Mouse Dictionaryは、入れる辞書データを自分で選ぶ作りです。内蔵の初期データのほかに、wikiに辞書データの一覧があります。
- 英辞郎(英日)などは、wikiの一覧で「Purchase Required」とされている。拡張機能本体の話ではなく、別に売られている辞書データの話
- wikiには「Import free Japanese-English data」という見出しの案内もあり、無料の日英データを取り込むことが案内されている
公式のリポジトリのやり取りで、開発者(Owner)は次のように答えています。
- 辞書データの編集画面は、いまのところなく、実装する予定もない。推奨は、テキストファイルを編集して取り込み、バックアップと共有に使うこと
- 辞書データは大きいため、オンラインストレージに同期する方法はない。アカウントやパソコンをまたいで共有するのは難しい
動かないサイトがあります。公式の補助の拡張機能の説明では、別のオリジンのiframeの中に本文があるサイト(例としてKaggle)では、Mouse Dictionaryは初期状態では動かないとされています。開発者の解説では、Evernoteと、編集モードのConfluenceで動かないのも同じ理由だとあります。
また、表示の方式がShadow DOMのときは、Dark Readerのような拡張機能が働かないことがある、とwikiに書かれています。
対応ブラウザと、料金について書かれていること
公式の配布先として確かめられたのは、ChromeとFirefoxです。公式のリポジトリのInstallの項には、Chrome・Firefox・Safariの3つが並びますが、Safariは「See #53」とだけ書かれています。
| ブラウザ | 公式の資料に書かれていること |
|---|---|
| Chrome | Chrome ウェブストアで配布。取得時の掲載は、バージョン1.7.2・更新2026年9月20日 |
| Firefox | Firefoxのアドオンの掲載がある。概要は「Firefoxブラウザ内で超高速に動作する辞書ツール」 |
| Safari | リポジトリのInstallに名前があるだけで、「See #53」とのみ書かれている |
EdgeなどほかのChromium系のブラウザや、スマホで使えるかどうかは、取れた公式のページに書かれていませんでした。
料金については、取れた公式のページに「無料」と書かれた文は見つかりませんでした。ソースコードはMITライセンスで公開されています。英辞郎などの辞書データは、別に購入が必要とされています。金額と無料の範囲は変わることがあるので、使う前にストアの掲載と公式のリポジトリで確かめてください。
入れる前に確かめておきたいこと
公式の資料は、ページによって書き方が揃っていないところがあります。入れたあとに戸惑わないよう、気づいた点を挙げます。
- Chromeの掲載では英和・和英・英英を想定と書かれ、Firefoxの掲載では、そのうえで「他の言語でも利用可能」と書かれている
- 設定を初期に戻す操作は、wikiでは英語の表示(RESET TO DEFAULT)で書かれ、開発者の解説は日本語の表示(「初期状態に戻す」)で書かれている
どちらも、実際に入れて、オプション画面で確かめられることです。公式の文と画面が食い違ったら、画面を優先してください。
英語を読みながら語を調べる道具は、英語リスニングアプリの選び方で種類別に整理しています。調べた語を文脈の中で覚える方法は文脈の中で単語を覚える方法で、動画の字幕で学ぶ道具の例はLanguage Reactorの使い方で扱っています。
よくある質問
Mouse Dictionaryとは何ですか?
ブラウザの中で動く英語の辞書ツールです。Chrome ウェブストアの概要では、英語学習者のための超高速辞書ツールとされ、英和・和英・英英での利用を想定していると書かれています。提供元は、公式のリポジトリでは開発者名のwtetsuと書かれています。
Mouse Dictionaryの使い方を教えてください。
入れたら、拡張機能のアイコンを右クリックして「Options」で設定画面を開き、初回は辞書データを作ります。そのあと、引きたい英語のページで拡張機能のアイコンを押し、語の上にカーソルを乗せると意味が引けます。
Mouse Dictionaryは無料で使えますか?
取れた公式のページに、無料と書かれた文は見つかりませんでした。ソースコードはMITライセンスで公開されています。英辞郎などの辞書データは別に購入が必要とされています。使う前にストアの掲載と公式のリポジトリで確かめてください。
ChromeとFirefox以外のブラウザで使えますか?
公式の資料で確かめられたのはChromeとFirefoxです。Safariはリポジトリに名前があるだけで、詳しい案内は見つかりませんでした。Edgeやスマホで使えるかどうかも、取れた公式のページには書かれていません。
Mouse Dictionaryが動かないサイトはありますか?
別のオリジンのiframeの中に本文があるサイトでは、初期状態では動かないと公式の補助の拡張機能の説明にあります。例としてKaggleが挙げられています。開発者の解説では、Evernoteと編集モードのConfluenceも同じ理由で動かないとされています。
まとめ
- Mouse Dictionaryは、ブラウザの中で動く英語の辞書ツール。語の上にカーソルを乗せて意味を引く
- Webページのほか、PDF文書・YouTubeの字幕・入力欄の上のテキストにも使える
- 辞書データは自分で選んで取り込む。辞書データの編集画面はなく、オンラインストレージに同期する方法もない
- 公式の資料で確かめられた配布先はChromeとFirefox。取れた公式のページに「無料」と書かれた文は見つからなかった
辞書を引く手間をその場で減らしたいかどうかが、Mouse Dictionaryを選ぶかどうかの分かれ目です。辞書データを自分で用意する手間を許せるかも、先に考えておくと迷いません。