英語リスニングアプリの選び方|4タイプと続く使い方
三橋竜彰・
リスニングアプリを選ぶとき、先に決めておきたいのは「そのアプリで何を鍛えるのか」です。同じ「リスニングアプリ」でも、音を聞き分ける訓練をするものと、聞く材料を供給するものでは、続けた先に残るものが違います。
私はYouTube動画で出会った英文を保存して学ぶChrome拡張機能「ImmerNote」を開発しており、「アプリを入れたのに続かない」という相談を受ける立場にあります。ここでは個別のアプリの機能を断定するのではなく、タイプごとの向き不向きを整理します。料金や機能は更新されるため、最終的な確認は各アプリの公式情報でお願いします。
リスニングアプリは4つのタイプに分かれます
| タイプ | 何をするアプリか | 主に鍛えられるもの |
|---|---|---|
| 聞き取り訓練型 | ディクテーション・穴埋めで音を書き取る | 音の聞き分け・弱形や連結への慣れ |
| 教材配信型 | ニュース・物語などの音源を配信する | 聞く量・多様な話者への耐性 |
| 発音・シャドーイング支援型 | 発音を判定し、追いかけて話す練習をする | 発音への意識・口の動き |
| 保存×復習型 | 出会った音声・英文をためて反復する | 自分に必要な素材での定着 |
なお、リスニングに限らない英語学習アプリ全体の分類(英単語・総合学習・AI会話など)は英語学習アプリ・英単語アプリおすすめに整理しています。この記事はそのうちリスニングに絞った選び方を扱います。
タイプ別の向き不向き
聞き取り訓練型
流れてくる音声を書き取ったり、抜けた語を埋めたりするタイプです。自分がどの音を落としているかが可視化されるのが最大の利点で、「なんとなく聞いている」状態から抜け出せます。
向いているのは、聞き流しを続けても手応えが無い人です。一方で負荷が高く、疲れているときに開けなくなりやすいという弱点があります。1回の分量が短く区切られているものを選ぶと続けやすくなります。
教材配信型
ニュース・インタビュー・物語などの音源が定期的に配信されるタイプです。材料が尽きないことが利点で、毎日開く理由が向こうから供給されます。
弱点は、聞いているだけで終わりやすいことです。聞いた内容を要約する、知らなかった表現を書き出すなど、出口を自分で用意しないと量だけが積み上がります。
発音・シャドーイング支援型
話した音声を判定したり、追いかけて発話する練習を支援したりするタイプです。口を動かすぶん集中しやすく、手応えが数値で返るものもあります。
「判定が出る」ことと「聞き取れるようになる」ことは別の話です。判定は現在地を知る材料であって、そのまま聞き取り力の指標にはなりません。素材の選び方や具体的な進め方はシャドーイングにおすすめの素材・アプリ|レベル・用途別で扱っています。
保存×復習型
自分が実際に出会った音声や英文をためて、あとから反復するタイプです。教材が用意されていない代わりに、自分にとって必要な素材だけが残ります。
向いているのは、動画や配信で日常的に英語に触れている人です。逆に、触れる機会そのものが少ない人は素材が集まらないので、教材配信型と組み合わせることになります。
選ぶ軸は3つです
1. 素材が続くか
アプリが続かない原因の多くは、機能ではなく素材の枯渇です。配信で供給されるのか、自分で持ち込むのかを先に決めてください。持ち込む前提のアプリを選んだのに、そもそも英語に触れる習慣が無ければ空のまま終わります。
2. 速度と字幕をどう扱えるか
再生速度を落とせるか、字幕を後から出せるかは、聞き取れなかったときの立て直しに直結します。最初から字幕を見てしまうと、聞く訓練にならないため、「まず字幕なしで聞き、あとから確認できる」順序を作れるかを見てください。
3. 記録が残るか
聞いた量や、聞き取れなかった箇所が残るかどうかです。記録が無いと、続けていても手応えが得られず、これが離脱の直接の原因になります。
アプリを変えても伸びないとき
タイプを変えても手応えが出ない場合、原因がアプリ側にないことがあります。速すぎて追えないのか、語彙が足りていないのか、そもそも集中が続かないのかで打ち手が変わります。
聞き取れない原因の切り分けは英語が聞き取れない原因と、AIで解析して理解する方法に、伸び悩みと集中の問題はリスニングが伸びない/集中できない時の対処にまとめました。アプリを乗り換える前に、この2つを先に確かめるほうが早く進みます。
料金はどう考えればいいですか
金額そのものは更新されるため、ここでは扱いません。判断の順番だけ書きます。
無料で試せる範囲で1週間続けてみて、続いたものにだけ払うのが確実です。リスニングアプリで最も多い失敗は、機能の多さで選んで契約し、2週間で開かなくなることです。比べるべきは機能の数ではなく、自分が明日も開くかどうかです。
ImmerNote:聞いた英語を、復習できる形で残す
上の3軸のうち「素材が続くか」と「記録が残るか」に対して、私が作ったのがこの道具です。
ImmerNote は、YouTube動画を止めずに、気になった英文をワンクリックで保存できる無料のChrome拡張機能です。保存した英文は理解度を4段階で色分けでき、「まだわからない」ものだけを選んで反復できます。保存数に上限はありません。
リスニングアプリの代わりになるものではありません。音を聞き分ける訓練をするアプリではなく、聞いて出会った英語を残す側の道具です。動画で英語に触れる習慣がある人が、素材と記録の問題を埋めるために併用する形になります。YouTubeを使った練習の組み立て方はYouTubeでリスニングを鍛える練習メニュー|1日15分の型にまとめました。
よくある質問
英語のリスニングアプリはどれがおすすめですか?
鍛えたいものによって変わります。音の聞き分けを鍛えたいなら聞き取り訓練型、聞く量を増やしたいなら教材配信型、発音への意識を高めたいなら発音支援型、出会った英語を定着させたいなら保存復習型が向いています。まず4つのうちどれを入れるかを決めると、選択肢が絞れます。
リスニングアプリは無料と有料のどちらを選ぶべきですか?
まず無料で試せる範囲で1週間続けてみて、続いたものにだけ払う順番をおすすめします。最も多い失敗は、機能の多さで選んで契約し2週間で開かなくなることです。判定の細かさや教材の量は続いた人にとっては差になりますが、続かなければ関係がありません。
リスニングアプリを使っても聞き取れるようになりません。
原因がアプリ側にないことがあります。速度に追えていないのか、語彙が足りていないのか、集中が続いていないのかで打ち手が変わります。アプリを乗り換える前に、聞き取れない原因の切り分けと、伸び悩みの原因の確認を先に行うほうが早く進みます。
字幕は使わないほうがいいですか?
最初から字幕を見てしまうと聞く訓練になりにくいため、まず字幕なしで聞き、あとから確認できる順序を作れるかを基準に選んでください。字幕を完全に断つ必要はなく、確認の手段として後ろに置くのが現実的です。
リスニングアプリは何個も入れるべきですか?
目的が分かれているなら併用は合理的です。たとえば材料を供給する教材配信型と、出会った英語を残す保存復習型は役割が違います。ただし同じ役割のアプリを2つ入れると、どちらを開くか迷って両方止まりやすくなります。
まとめ
英語リスニングアプリは、聞き取り訓練型・教材配信型・発音支援型・保存復習型の4つに分かれます。選ぶ軸は、素材が続くか・速度と字幕をどう扱えるか・記録が残るかの3つです。
続かない原因の多くは機能不足ではなく素材の枯渇なので、自分が英語に触れる習慣とセットで選ぶと失敗しにくくなります。アプリを変えても手応えが出ないときは、聞き取れない原因そのものを先に切り分けてください。