ImmerNote

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英単語ノートの作り方|手書きが続かない人のデジタル置き換え

三橋竜彰

英単語ノートは、作り始めるところまでは難しくありません。難しいのは3か月後もそれが使われている状態を保つことです。

私はYouTube動画で出会った英文を保存して学ぶChrome拡張機能「ImmerNote」を開発しており、「単語ノートを作ったが見返していない」という相談を受ける立場にあります。この記事では、ノートの書き方そのものではなく、単語ノートが機能しなくなる構造的な理由と、デジタルに置き換えると何が変わるかを整理します。

英単語ノートが機能しなくなる3つの理由

続かないのは根気の問題ではなく、単語ノートという形式が抱えている性質のほうが大きいです。

起きること何が原因か
作るのに時間がかかり、途中でやめる1語ごとに書き写す作業が発生する
見返しても思い出せない単語と意味の対応表になり、出会った文脈が落ちている
増えると探せなくなる時系列に積み上がるだけで、絞り込む手段がない
単語ノートは作った瞬間が最も価値が低く、見返した回数だけ価値が上がります。作る手間が重いほど、見返す前に止まります。

理由1:書き写す作業が学習を止める

紙のノートに単語・意味・例文を書くと、1語あたり数十秒はかかります。動画や記事を読みながらであれば、そのたびに視聴や読解が中断します。

そして厄介なことに、この作業自体は「勉強した感じ」が強いです。手を動かした時間は残るので、実際には出会った語を並べ替えただけでも、進んだように感じられます。

理由2:単語と意味だけ残ると、思い出せない

多くの単語ノートは、左に英単語・右に日本語訳という形になります。この形の弱点は、その語にどこで出会ったかが残らないことです。

思い出す手がかりは、意味そのものよりも「どの場面で使われていたか」に紐づきます。文脈が落ちたノートは、単語帳の劣化版になってしまいます。文脈ごと残す考え方は動画で出会った英単語を文脈ごと保存して覚える方法にまとめました。

理由3:増えると、探す手段がなくなる

200語を超えたあたりから、紙のノートは「どこに書いたか分からない」状態になります。見返せないノートは、書いた時間がそのまま消えます。

索引を作れば解決しますが、それは作る手間をさらに増やす方向です。ここが紙の構造的な限界にあたります。

デジタルに置き換えると何が変わるか

3つの理由は、いずれも媒体を変えると性質ごと変わります

紙の単語ノートデジタルに置き換えた場合
1語ずつ書き写す出会った英文をそのまま取り込む
単語と意味だけが残る出会った場面ごと残る
時系列に積み上がる状態や条件で絞り込める
見返す場所が固定される手元の端末で開ける
置き換えで効くのは「速くなること」より、残す手間が下がって見返す回数が増えることです。

なお、学習ノート全般(文法や授業の気づきも含めた形)の作り方は英語学習ノートの作り方(デジタルで文脈保存)で扱っています。この記事は単語に絞った話です。

単語ノートを「見返される状態」に保つ3つの条件

媒体を変えても、次が満たされていないと結局使われなくなります。

  1. 1語あたりの記録コストが数秒であること。ここが数十秒だと、疲れている日に止まります
  2. 出会った文と一緒に残ること。単語単体では思い出す手がかりが足りません
  3. 「まだ覚えていないもの」だけを取り出せること。全部を上から見返す形は、量が増えた時点で破綻します

3つ目が最も見落とされます。覚えた語と覚えていない語が同じ列に並んでいると、見返すたびに知っている語を読み流すことになり、時間あたりの効果が落ちていきます。

覚えられない・すぐ忘れるという状態そのものへの対処は英単語が覚えられない・すぐ忘れるを文脈保存で解決に整理しました。

ImmerNote:出会った英文をそのまま単語ノートにする

上の3条件に対して作ったのがこの道具です。

ImmerNote は、YouTube動画を止めずに、画面に出ている英文をワンクリックで保存できる無料のChrome拡張機能です。保存した英文はどの動画・どの場面で出会ったかとセットで残るため、書き写さなくても文脈つきの記録がたまります。理解度を4段階で色分けでき、「まだわからない」ものだけを選んで見直せます。保存数に上限はありません。

紙のノートを否定するものではありません。手で書くことで覚えやすいと感じる人はいますし、その感覚は尊重されるべきです。ただ、動画を見ながら書き写す形だけは、視聴が止まるぶん相性がよくないというのが、道具を作っている側から見た実感です。

よくある質問

英単語ノートは手書きとデジタルのどちらがよいですか?

目的によります。手で書くことで覚えやすいと感じる人にとって手書きには価値があります。一方で動画や記事を読みながら書き写す形は、そのたびに視聴や読解が止まるため相性がよくありません。1語あたりの記録に数十秒かかる形だと、疲れている日に止まりやすくなります。

英単語ノートに何を書けばよいですか?

単語と意味だけにしないことが要点です。その語にどこで出会ったかが残らないと、思い出す手がかりが不足します。出会った英文をそのまま残し、必要に応じて気づきを足す形にすると、見返したときに場面ごと思い出せます。

単語ノートが増えて見返せなくなりました。

時系列に積み上がるだけで絞り込む手段がないことが原因です。覚えた語と覚えていない語が同じ列に並んでいると、見返すたびに知っている語を読み流すことになります。「まだ覚えていないもの」だけを取り出せる形にすると、量が増えても機能します。

英単語ノートは作る意味がありますか?

見返す前提であれば意味があります。ただし単語ノートは作った瞬間が最も価値が低く、見返した回数だけ価値が上がる性質のものです。作る手間が重いほど見返す前に止まるので、記録のコストを下げることが続けるうえで効きます。

デジタルにすると覚えられなくなりませんか?

手で書く行為に記憶の効果を感じる人はいます。デジタルに置き換えて効くのは書く行為の代替ではなく、残す手間が下がって見返す回数が増える点です。覚える工程そのものは、どちらの媒体でも反復が必要になります。

まとめ

英単語ノートが機能しなくなるのは、作る手間・文脈が落ちること・増えると探せないことの3つが原因です。書き方を工夫するより、この3つが起きない形にするほうが確実です。

作ることではなく、3か月後に見返されていることを基準に選んでください。